ここは楽園ではない

ここは楽園ではない

監督:原田 拓朗
出演:田村 里恵 / 原田 拓朗 / 土井 哲真 / 野村 三奈 / 福野 裕美
第3回京都国際学生映画祭奨励作品
ポスター

3年前に中古屋でビデオカメラを買った。

それから何本かドラマ作品を撮っているうちに、自分がしていることが、あまりに不自由で、 しょせん「ごっこ」遊びに過ぎないように感じられた。

なぜSONYのスタミナハンディカムのテレビCMは、子供の運動会を撮影するパパなのだろう?

一方で、ドキュメンタリーというジャンルがある。ではこの映画はドキュメンタリーなのか? あるいは、役者の演技がうまい、とはどういうことだろう?

日常生活の中で、誰かの言動に対して「演技がうまい」と言うのはどこかおかしい。

では、舞台の上の下手な演技と、日常の中のぎこちない言動とは?

私はビデオカメラをまわす。

カメラの前でこれまでと同じ日常が続けられ、それはやがて融解し、ドラマに混入してくる。

ドラマは日常に侵されて、それでもドラマであることを止めない。

ビデオカメラは、録画ボタンを押した瞬間から、一切の判断を停止して、眼前の世界を記録し 続ける。ただ「素材」としか言いようのないもの。嘘でも本当でもなく。

この映画はその境界上にあろうとした。

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