
去年、「美大生の青春群像を撮る」といって別の作品(未公開)を撮影してたのですが、それは嘘になりました。これも一応群像劇です。もともとはテレビっ子(注)の三人で撮るはずだったのが、いつのまにかこんなことになってしまいました。キャベツは1個80円でした。安いです。でもお連れ様がいらっしゃらなかったので、3個目からは100円でした。
注:パンクバンド。土井哲真、堀江亮二、山中温の三人で構成(堀江がギターを売ったため事実上解散)

この映画は僕の初作品なので、技術面での至らなさは大目に見ていただくとしても、それでもこの映画を見てどうしても好きになれないという人は大勢いると思います。
それはそれでひとつの勲章かもしれないと思いますが、でもあえて弁解しておくと、別に僕は麻雀映画を撮りたかったわけでも、おバカな映画を撮りたかったわけでも、ましてやシュールな映画を撮りたかったわけでもなく、ただ日常生活の中のほんの小さなひび割れみたいなものをスクリーンいっぱいに映し出して、めまいを感じたかっただけなのです。

こういう映画(?)は初めてなので、どう書いていいのか分かりませんが、タイトルと内容が合っていない様な気がします。あと、主人公の人には私はあまり共感できませんでした。
でもとてもよかったです。がんばってください。
平野恵美(仮名)21さい 主婦

探偵が知り合いの女性から人探しを頼まれます。そして彼女は知らないのですが、実は探偵は目的の男性とも友人です。

真冬の、薄暗く狭いある部屋。
このお話は、そんな小部屋に住むある男のちょっと不思議な経験談です。
もしかしたらすべて夢だったのかもしれない。
もしかしたらすべて幻だったのかもしれない。
対来るに苦しむかれを見つめる、冷ややかな視線――タイトル「Fish-Eye」はそこから決まりました。演出の至らぬところはご容赦いただきまして、どうぞ気楽にご覧ください。
ではでは。

とりあえずシンプルに作りたかったので、登場人物も男と女の2人です。撮影風景はかなりこしょぼく通行人にもたいして相手にされず撮影は進みました。
そうそう、撮影中に戸田奈津子さんを見かけました。

昔から自分の頭で考えてとった行動は失敗につながることが多いけれど、自分の意識とは関係ないところからくる感情に依って行動したときはたいがいうまくいき、おとでふりかえってよく考えてみるとそれがとても理にかなっていることが良くあるのでそのことを映画で表してみようと思ってつくりました。

かのレオス・カラックスは「汚れた血」を撮る際に、ドニ・ラパンを見て「こいつオレにそっくりだ!」と感じて、ぶさいくな彼を主役に抜擢したそうです。
今回、この「糸」という映画を撮るにあたって僕もこれと同じような体験をしました。
監督である僕自身によく似た人に出会えたのです。かれは外見だけでなく、周りに漂う空気感のようなものまで僕に近いものがありました。
そのことがこの映画に決定的な影響を及ぼすなどということもおそらくないのでしょう。
それでもかれのおかげで自分のイメージ通りの映画になりましたし、彼に出会えたことは確かに幸運でした。そしてそのことで僕がささやかな幸せを感じながらカメラを回せたこともまた確かなのです。

最近この世はますます肩身が狭いですね。そういう異端者が自由に生きていけるユートピアに紛れ込んだ一般人の話です。当然一般人はそういう人たちを奇異に感じますよね。だから悲しい話なんです、実は。
いや、気づかなかったらそれにこしたことはありません。

それは無意味なのですか?
ダイアローグ→コミュニケイション
美とは快感のことである 伝わっているのか 伝わっていないのか
言い表せないものが存在するのは確かなことである。
会話のような 会話でないような
それはまるで頭の裏側を蟻が這っているような感じでした。
感動するってどういうこと?

1980年春。この年に僕は生まれ、そしてそれはジョン・レノンが死んだ年でもありました。
―70年代から80年代へ。ある視点から見れば、何かが大きく変わろうとしていたのかもしれません。
―若い苦悩と力の向かう地平線。
光はどこから差してくる?目の前にそびえる灰色の巨大な壁の向こうから?それとも心の奥深く底の見えない井戸の中から?…あるいはそれは冬の日の、黄色く潤んだ木漏れ陽か。

草原では、穢れを知らない 走り続ける少年と同時に、当たり前にうさぎが跳ねておりました。
少しのまに日がくれて、月が出て、草原はすっかり夜になりました。それでも少年は うさぎに夢中みたい。
遠くの道路や近くの道路には、ひんぱんに車が行き来していることは 音から わかります
けれど、私の心をぞっとさせるのは、黄色い月と うさぎが絶えず草をかみちぎる音。
ブチッ ブチッ
思いがけず遭遇したこんな夜に 心を持っていかれて
私は これを つくりました。うさぎ。

少年達の荒れくれた集団生活に斬りさくような恋愛をちりばめる。
そう念頭に置き、今世紀の最高傑作、衛嶺街少年殺人事件を目指し、撮影をはじめたのだがみるみるビーバップハイスクールの世界になっていった。

目の前にはただ真白なスクリーンだけがある
一本の映画が終わって、エンドロールが流れて、劇場が明るくなる時に、
目の前にあったはずの、あの感動的な景色や人々は、
全て消えてしまっていて、それが嘘だったのだと思い知らされるのです。
過去のあるとき、役者がカメラの前でそう演技したということ、
自分がついさっき、それを見たということは確実なことのように感じますが、
目の前にはただ真白なスクリーンがあるだけです。
そして、そうしている自分が今まさにここで生きているということ
まるで、映画の中に生きていた、あの登場人物たちのように。

僕がタバコを吸うようになったのは、浪人のとき以来ですから、5年ぶりです。
久しぶりの煙は五臓六腑にしみわたり、頭がくらくらしましたが、いいようのない刺激が体をおおいました。その時思ったのは「これは映画だ」。そんなわけでタバコの映画、のはずでしたが結局はロードムーヴィー。
半年前に出会った2人の旅の途中で語られる2人の今。
ノスタルジー、嫉妬、脱出、あのころの気持ち。夜と昼。もっとスピード。
アンチロックブレーキ。

登場人物は2人だけで、男と女です。
男と女は一緒に住んでいて、ずいぶん長く経つのですが、徐々に関係が綻び始めています。
でも完全に崩壊するにはまだ間がある。
そんな感じの話です。